今やネット通販は多くの方が利用する購買方法です。
日本では大きく取り上げられているイメージはないですが、アメリカ発祥のサイバーマンデーなんていうオンラインショップにおけるホリデーシーズンも開催されています。
ネット通販を利用したことがある方、もしくは物販に興味がある方、
一度は「自分で通販をやってみたい」なんて思った経験ありませんか?
ビジネス用語としてはEC、Eコマースなんて呼ばれたりもしています。
そんなネット通販に興味のある方に是非読んでいただきたい記事として、
ネット通販の裏側について取り上げていきます。
実際に月商億越えのネット通販の運営やコンサルティングなどを行ってきた実績もあります。
そのため、興味をお持ちのあなたにとって意味のあることを書いていけるかと思います。
何から始めればいい?
コストをかけずにEコマースの店舗を展開したい。
そうした場合にまず何から手をつければいいのか。
目標設定?経営計画?
そんなものは後に置いておいて実際に形になることから手をつけていきましょう。
ネット通販のモールを展開するのに必要なこととして以下の事項があります。
- PC、ネット環境の構築、必要ソフトとダウンロード
- 商材の選定/手配
- トップページ/その他サイト周りの作成、デザイン構築
- ECモールもしくは通販作成サイトとの契約
- 商品登録
これらの準備を進めていく上での必要なことや注意点など順を追って解説していきます。
PC周り・ネット環境の構築
今では通販は「スマホだけでもできる」と言われることもありますが、ECモールの展開にあたってはPCは必須です。
転売等の「せどり」と呼ばれるものを行う場合にいたってはスマートフォンのプラットフォームを使用した方が効率が良い場合もあります。
PCや周辺環境を備えるというのは基礎の基礎の部分です。
今後ECモールを展開させるにあたってはいくら時間があっても足りないと感じることになります。
そのためPC/ネット環境や使用ソフトは可能な限り有用的なものを使用した方が良いです。
ネットの回線速度は最低でも常に100Mbpsが出る環境が望ましいです。
PCの環境もPhotoshop / Dreamweaver / Excelを同時起動できるほどのスペックがあると安心できます。
もちろん必須環境ではなく、望ましい程度のものです。最低限の作業でしたら7万円程度のデスクトップ/ノートPCでも作業可能です。
例)CPU:Core i3 第7世代同等程度以上/メモリ:16GB/SSD240GB+HDD1TB (概算10万円以上のデスクトップPC)
おすすめのソフトウェアの環境といたしまして、Adobe:Photoshop/Lightroom/Dreamweaver、MicrosoftOffice Excel その他フリーソフト
Adobeソフトは他のソフトでも代用できますが、最高のパフォーマンスで進めていくためにも契約をおすすめいたします。
上記は必須ではありませんが、可能なことなら先行投資的意味合いで「ケチらない」有用なお金の使い方をすることが少しでも近道へと導いてくれます。
ページ/デザインの作成
今後ECモールを進めていくにあたっては必須のスキルです。
事業を発展させることができればスキルを持った従業員を雇うことや外注することで解決します。
しかしながら限られた資金で行う場合、最初は自分もしくは一緒に進めていく人間がそのスキルを使える必要があります。
そのスキルはどのようなものかというと
- HTML/CSSコーディング
- カメラ撮影(物撮り、モデル撮影)
- ECサイトデザイン/バナー/商品画像等の生成
などが挙げられます。
これらは上級者レベルまで到達するまでには多大な時間を要しますが、一通りサイトデザインをするまでなら数週間~3カ月程度あれば習得できるものです。
もし一人で進めていく場合には避けては通れない道になるでしょう。
この記事ではこれらスキルの詳細を説明いたしませんが、他記事にて細かく取り上げていく予定です。
商材の選定/手配
今後EC事業を展開していく上で一生涯付き合っていかなければならない問題です。
モノがあり溢れている日本の現在でEC事業を展開するには、商材選定は最も慎重になるべき部分です。
今現在考えられている商材がある場合、選定する上で「本当に戦っていける商材か」を考えてみてください。
先ほども伝えた通り、今のEコマース市場には安価なものから高価なものまで数億点もの商材が転がっています。
そこで戦っていく場合、競合他社の中で勝ち抜くための「差別化」もしくは「明確な優位点」が必要です。
よく耳にするのが「アパレルブランドを立ち上げたい」という若者の声です。
年間売上数十億円規模のアパレルEコマースの運営を務めていましたが、どのジャンルの商材よりもSKU(型番)が多く商材の扱いが大変な印象です。
また、型番製品の場合はどうしても価格競争に巻き込まれてしまうため、発注ロット数の多い大手と比べるとどうしてもメーカーは安価で卸してくれません。
また、いかに安く商材を回すかという点を考えてしまうとどうしても「薄利多売」の負のルーティーンに陥ります。
高利多売が最も望ましいですが、安価なものがあり溢れているEコマースの業界ではそう簡単にはいきません。
そのため商材の選定に関してはより慎重に行ってください。
★商材選定のポイント
- 自分が自信をもって売れる商材か
- その商材の市場を明確に把握しているか
- 安価に仕入れて高く売れるか
- ユーザの話題性、需要喚起を引き起こせるか
- 競合他社と比べた場合の粗利設定に問題ないか
- 仕入れルート、人件費などを含めた最終益(純利益)は問題ないか
どこに参入するのがよいか
ネット通販を始めて行う方は「通販をしよう」とざっくり考えられている方も多いかと思います。
まず、ECモールに参入する場合には法人の登記、もしくは税務署への開業の届けが必要です。
モール参入手続き時に必要となることがほとんどです。
ネット通販における店舗展開には2通りあります。
- Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどへの展開
- 自社公式サイトでの展開
自分のブランドを持ちたいと考えられている方は自社公式モールで展開したいという方も多いかと思います。
運営を行うに際してそれぞれのメリットとデメリットを明確に知る必要があります。
それぞれのメリット、デメリットとは
【ECモールの場合】
ECモールとはAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのことを指します。
イメージとしては大型のショッピングモールの中に一つのショップを置く形式です。
有名なECモールは以下があります。
Amazon / 楽天市場 / Yahoo!ショッピング / ZOZOTOWN / Wowma / Qoo10 etc…
一日の流通額が4超1,790億円を記録した中国一のネット通販企業アリババなどもこれにあたります。
通販モールの中でも、Amazonは中華系ガジェットに強い、楽天市場はグルメとファッションに強いなどモールごとに様々な得意とするジャンル構成があります。
その他にも全体的な市場や在庫管理の方法、メディア発信力の強弱、契約手数料の料率設定、広告の価格などそれぞれのモールで異なってきます。
当記事では細かく紹介いたしませんが、それぞれのモールで「売るルール」があり、それをこなしていけば上位店舗に登り詰めることが可能です。
逆を言えば、日本最大手の出店型ECモールである楽天市場では数十万店舗、数億商品の登録がされています。
数百商品を登録したのに月に1円も売れないなんていうこともザラにあります。
このECモールで自社店舗/商品を展開するメリット/デメリットを紹介いたします。
★メリット
- ECモール自体に一定数の顧客が存在するため、集客確保が自社サイトより容易なこと
- 通販モールのプラットフォームが利用できること
- 売上/アクセス分析を細かくプラットフォーム上で行えること
- Amazonや楽天で購入するといったユーザからの安心感、信頼
- モールによってはECコンサルタント(売上向上のアドバイス/相談をする人)が着いてくれること
- モールの施策(Amazonプライムデー/楽天スーパーセール等)に乗じて売上向上を見込めること
- ランキング掲載などによりGoogle/Yahooなどの検索エンジンからの検索結果以外からの流入が見込めること
▲デメリット
- 手数料が自社サイトより高価になってしまうこと
- ユーザの多数が〇〇というブランドで購入するのではなく、Amazonや楽天で購入したという認識になってしまうこと
- システム利用料がかさむと月額必要が数十万円規模になってしまうこと
- ECコンサルタントに勧められた広告を無駄に買わされる可能性があること
- ECモールによる規約があること(規約違反による退店、罰金などのペナルティがあります)
これらにより、自社サイトよりも手数料や月額利用料が高くはなります。
しかしながら決まった道筋で決まった訴求を行う事が出来れば売上向上の目途が立ち、経営目標を立てやすいです。
何より、検索エンジン以外からの流入が見込めることは最初の駆け出しでは重要です。
売りたい商材のジャンルなどにもよってバラつきはありますが、初めて店舗を立ち上げて訴求する手法としてECモールへの展開はお勧めできます。
【自社公式サイトの場合】
本記事タイトルでもある「コストを掛けない」ということであれば自社公式サイトでの展開が有力です。
公式店舗は、
・自社ドメインを契約して、プラットフォームの使用を可能とするECモールとの契約
・カートや商品のデータベースをプログラミング等で一から生成し、システムそのものを制作
いずれかの必要があります。
後者の場合は最もコストを掛けずに展開することが可能となります。
しかし、事前にプログラミング等のスキルがない限りは長期的な学習から入る必要があります。 早くて2~3カ月、不向きな人は習得を諦めて前者を検討した方が効率的です。
初めての方には聞き馴染みは無いかもしれませんが、プラットフォームの使用ができるECモールは以下があります。
BASE / Futureshop / ecbeing / カラーミーショップ / MakeShop / EC CUBE等
かなりの数の種類があり、モール同様にそれぞれ仕様が少しずつ違います。
ただ、どちらもコストを一切掛けずに行うのは、元々SNS発信などによりフォロワーなどのファンを一定数獲得していない場合は
初期の集客に多大なる時間を要するため、かなり非効率といえます。
また、GoogleやYahooなどの検索エンジンの上位に掲載されるのも、運営開始後早くとも3カ月程度は掛かります。
そのためにはSEO(検索エンジン最適化)の知識や、広告施策の知識などが必要となります。
公式モールを展開するにあたっては、ある程度実店舗、ネットショップ問わず店舗展開をして資金繰りが可能になってから、広告代理店などを介して効果的に広告を打っている企業がほとんどです。
著名人やインフルエンサーでない限り、いきなり公式自社モールを展開するのは莫大な初期費用が掛かる上に投資回収までに多大なる時間を要します。
そのため、趣味などで片手間に行う場合は例外ですが、本業として行う場合は得策なくモノを売りたいという考えのみでプラットフォームのみの契約で自社公式店舗を展開するのは難しいかもしれません。
★メリット
- システム利用料・手数料が安いこと
- 競合との価格競争に巻き込まれにくいため、利益率を高く設定できること
- モールの仕様に捉われずトップページから商品ページ、カゴ部分まで全てを自分好みにカスタマイズできること
- ブランドの認知を高める事ができ、コアなファンを付けやすいこと
- 規約に捉われず独自の施策を打ちやすいこと
▲デメリット
- 自力での集客にかなりの労力と時間が掛かること
- 本気でやる場合は初期の投資額が膨らむこと
- モール独自の「売れるルール」のようなものが存在しないため、成果を出せずに諦めざるを得なくなる可能性が高いこと
- プログラミングからサーバーやセキュリティなどの幅広い知識を要すること(プラットフォームを利用しない場合)
モール下での展開、自社展開で迷った場合
もしこれらをみた上でもどこから参入するべきか自分でも分からない場合は、商材ベースで顧客にとってどこに需要があるかで決定付けるのが良いかと思います。
どちらにせよ、自分の商品をお客様に見てもらえなければ意味がありません。
そのうち100人に数人の購入者がいればいいものと考えてみてください。
大衆にアプローチできる商材で、価格を安く設定できるならECモール、
独自性の強いファッション性アイテムなどのニッチ商材であれば自社公式店舗など
もし体力があれば自社店舗とモール下店舗を同時に展開するのも一つの手といえます。
最低限のコストでどちらがどの様な仕様で成果に繋がるのかを体感してみるのもいいでしょう。
ECマーケティングについての記事にて最初に考えるべきマーケティングの基礎も紹介しております。
ご覧いただくことで、展開したいモールに関する考えが少しでもまとまるかもしれません。
ぜひご確認いただければ幸いです。
まとめ
長くなりましたが、
◆環境構築→商材選定→トップページ/パーツ作成→ECモールとの契約→商品登録
これらの項目を順を追って進めていくことで形にはなります。
全て形にした上で「WEB&小売りマーケティング」の分野で集客を行い、お客様の購買行動に繋げるという活動が必要です。
それらはECマーケティングについての記事にて引き続き紹介いたします。
もしこれから私がEコマースで小売り事業を始めるとすれば、
「自社サイトで細々と少ない型番で高単価なアパレル商材を売る」これに尽きます。
また、私が今後ECサイトを始めたいと考えている人にアドバイスをするとなれば、
・お金も時間も余裕があるならモール&自社サイト
・実店舗が既にあり、一定数顧客がいる場合は自社サイトにてオムニチャネル(通販と実店舗の掛け合わせ)施策
・趣味程度に始めて本業に繋げようとしている方には自社サイト
・ネットに関する知識が少ない場合はECモール
・元手が少ない場合はECモール
この様に人によって向き不向きがありますので、当記事を見たあなたに合った落とし込み方法を模索してもらえればと思います。
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